?
次の日。チャーリーとヴィクトールは朝早くホテルを後にした。
本来この惑星に来た目的を果たすためである。延び延びになってしまった採掘場へやっと出発することになったのだ。
だが、ここまできたら別れて行動するのはかえって危険だからと、主星には全員一緒に戻ることにした。
そこで、どうしても自分の手でゼフェルを見つけ出したいというルヴァと、元々の任務としてここに赴いたオスカーが首都ティアマトに残ることになった。
ランディとオリヴィエはヴィクトール達と共に、ウォングループの採掘場へ向かった。
そこでとりあえず待機し、首都に残った面々からの連絡待ちをするために。
そしてその夜。ルヴァは、初めて見る光景に声も出なかった。
都会に初めて出てきた田舎の青年のように、きょろきょろとあたりを見渡す。
濁った空気と気だるい気配。ちかちかとついたり消えたりするネオンとその下に蹲る男。
細い路地の入り口には、オリヴィエ並みに着飾った女が数人立ち、煙草を吹かしながら何か囁いている。見とれているとその内の一人と目が合った。
軽くウインクされてルヴァは真っ赤になり、少し先を歩くオスカーを慌てて追いかけた。
「はぐれるなよ、ルヴァ。その辺の路地にでも引きずり込まれたら、たちまち身ぐるみはがされるぜ」
「そ、そんなに怖いところなんですか? 私が守護聖になってこの地を出て行く時は、もっとっ……」
大声をあげて驚くルヴァの腕をぐいっと掴み、オスカーは声を殺して彼の耳元で囁く。
「大きな声をだすな。もう少しで抜けるから辛抱しろ。このあたりは特に治安が悪いらしい」
慌てて自分の口を両手で押さえ、ルヴァはこくこくと無言でうなずいた。
「……やはり反乱軍の所為なのでしょうか?」
夜闇の中の街並みを、ぼんやりと眺めながらルヴァはポツリと呟いた。
先程よりも広い道路にでる。しかし相変わらず怪しいネオンがきらめき、ルヴァの思い出の中の王都とはまるでかけ離れていた。
「いや、治安が悪くなったのはマタルが見つかって、貧富の差が出始めてかららしい。数年前はあの一角も子供達が平気で歩いていたそうだ。それが今じゃ大の大人が一人で歩くのも危険だと聞いた」
「……そうですか」
自分が守護聖になってから、いったいどれだけの時がこの地では流れたのだろう。それは人々の気持ちすら変えてしまったのだろうかと少し寂しくなる。
オスカーは俯きがちに歩くルヴァを見て、その背中を軽く叩く。
「ほら、ついたぞ。あんたの今回の目的は、故郷の思い出探しじゃないだろう?」
件の女性の居場所に着いたと聞いてルヴァは顔をあげる。が、すぐにその表情が強ばった。
「あ、あの、オスカー……ここは」
「さ、もたもたしないで入った、入った」
「わっ、ち、ちょっと押さないで下さいっ!!」
ルヴァはパニックを起こしていたが、そんな事はまるで意に介さず、オスカーは逃げ出そうとするルヴァの腕をつかむと、怪しげな看板がぶら下がる扉を開けた。